ここでは論文基本の型における解決策の書き方になります。
論文基本の型についてはこちらから

また、導入の書き方をまだ確認していない方はこちらをご確認ください

解決策の数は?

まず、解決策の数ですが2つか3つ、好きな方で大丈夫です
私は、1つの解決策に200字をおススメします
理由は、短いと採点者を納得させるだけの説明が足りなくなり、長いと話がブレてしまうからです

特別区の論文では、3×200字で600字程度ですね

しかし、論文を書けない方は
3つも思い浮かばない!
と思っているのではないでしょうか?

もちろん、本番の試験中に解決策を3つ考えるのは至難の業です
しかし、本番ではあなたが準備したネタのストックから3つ引き出すだけでよいのです
論文試験の勉強で一番大事なものはネタのストックです
今はストックが少なくても、これから練習を重ね、少しずつ増やしていきましょう

ネタのストックの重要性についてはこちらで解説しています

問題の確認と導入の復習

問題を確認しましょう

 東京都では昨年、転出者数が転入者数を上回る月が続きました。転出超過等によって人口が減少すると、税収の減少や地域コミュニティの衰退など様々な問題をもたらします。
 また一方で、特別区の抱える公共施設の多くが老朽化しており、人口減少がもたらす更なる社会変化に対応した、施設の企画・管理・利活用が求められています。
 このような状況を踏まえ、区民ニーズに即した魅力的な公共施設のあり方について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

(1,000字以上1,500字程度)

特別区Ⅰ類R3

導入編で考えた、導入部分の復習です

導入例

 新型コロナウィルス感染拡大の影響により、テレワークをはじめとした密の回避が急速に進んでいる。都心から郊外へ住居を移動する人々が多く発生したため、東京都の人口動態は、近年続いていた社会増が急激にペースを緩めることとなった。また、今後、東京都の人口は減少していくと推測されており、税収減や地域コミュニティの希薄化が一層進む恐れがある。そのような中、特別区では、昭和時代に建設された公共施設が多く、膨大な維持費が財政を圧迫している。さらに、高齢化が進み、バリアフリー化が求められているにもかかわらず、老朽化した施設では住民ニーズに応えられていない現状がある。特別区にとって、公共施設の見直しや運営の効率化は喫緊の課題である。区民ニーズを反映し、区民が利用しやすい公共施設を実現するほか、長期的な視野から施設を運営することが特別区に求められている。これらを実現するため、私は特別区職員として、次の3点に取り組むべきだと考える。(409字)

導入で上げた課題を解決できる解決策でなければいけません

解決策の型

解決策には定番の型があります

解決策の型
    • 〇つ目は、[解決策]することである。
    • [課題]ということが問題になっている。
    • [解決策]により、[効果]になる。
    • また、[解決策]により、[解決策の影響]することになり、[相乗効果]が期待できる。

    思いついた解決策を、この型に当てはめて200字を目指しましょう

    解決策の考え方

    解決策を考えていきます
    ヒントは導入部分にあります

    導入に特別区の課題と期待される効果を書きました

    課題:公共施設の見直し、運営の効率化
    効果:区民ニーズを反映、区民が利用しやすい公共施設、長期的視野からの運営

    これらの課題を解決し、効果が見込める策を考えてみましょう

    忘れてはいけないことは、あなたは特別区の職員だということです
    しかも若手です
    そのような立場でも実現できる解決策にしてください

    実際に解決策を作成していきましょう

    私であれば

    • 施設の集約化
    • 運営での民間活用
    • 広域連携

    などが思い浮かびます

    次に、それぞれの

    • [課題]
    • [効果]
    • [影響]
    • [相乗効果]

    を考えます

    [効果]と[相乗効果]ですが、莫大な効果を考える必要はありません

    考え方は2つです

    解決策の考え方
    1. 住民にとってのメリットと自治体にとってのメリットを考える
    2. ハード面とソフト面の両方の効果を考える

    ①はWin-Winの関係ですね
    どのような解決策を書くにしても、必ず双方にメリットがあるようにしてください

    ②は①ほど重要ではないですが、書くだけで相乗効果のように見えます

    では、実際に解決策を作成していきましょう

    具体的な解決策

    それでは「施設の集約化」について解決策を考えてみましょう

    [課題]
    利用頻度の少ない施設が多い
    維持費が高額になっている

    [効果]
    施設運営費用の削減(自治体のメリット)
    バリアフリー対応や子育て設備の整備(ハード面)

    [影響]
    施設の複合化により、幅広い年代の人々が集まる

    [相乗効果]
    地域コミュニティの活性化(住民のメリット)(ソフト面)

    これらを解決策の型に当てはめ、文章化していきましょう

    解決策例

     1つ目は、公共施設を集約化することである。施設の老朽化による維持費が財政を圧迫していることに加え、区民の利用頻度が少なく、効率的な運営ができていない施設の増加が問題になっている。施設数の削減と集約化による維持費の削減に加え、バリアフリー対応や子育てにやさしい設備を整備することで、利用者の増加を見込むことができる。また、施設の複合化により、幅広い年代の人々が集まることから、地域コミュニティの活性化が期待できる。(206字)

    目標の200字ですね

    同じように、2つ目、3つ目も作成してみてください
    もちろん皆さんが思いついた策でいいですよ

    どうしても思いつかない方は、

    • 運営での民間活用
    • 広域連携

    をヒントに、もしくはそのまま活用して解決策を作成してみてください

    このように型に当てはめていくと、意外と文字数が埋まることに気づいたでしょうか
    論文の苦手な方は、型に当てはめるという練習をたくさん行ってください

    導入、解決策ときて最後はまとめです
    こちらページをご覧ください