ここでは公務員試験論文の締めとなる、論文基本の型のまとめについて解説していきます
論文基本の型についてはこちらでチェックしてください

まとめの前には、論文の導入、解決策があることを忘れてはいけません
論理的な文章にするためには、すでに書いたことと矛盾してはいけません

導入を学んでいない方はこちらのページをご覧ください

解決策についてはこちらのページをご覧ください

まとめには何を書くべきか

論文を書けない方からのご相談で、よくこのような悩みを耳にします

まとめって何?書いたことの繰り返しでいいの?

良い質問です
私からの解答はこちらです

そのとおりです…繰り返しみたいなものです

短く言い換えればいいと思ってください

ただし、論文を書く際にやってはいけないがあります。

まとめでやってはいけないこと
  • 新たな課題を出す
  • 前に記述したこと矛盾する

これらは最後のまとめに出てきやすいです

カッコよく書こうとしてマイナス評価になるくらいなら、導入と解決策の言い換えをした方がずっとマシです

まとめの型

もちろん、まとめにも型があります

まとめの型

[自治体を取り巻く環境]
[自治体の課題]
[解決策の要旨]
[意思表示]

まとめは書いたことの言い換えですから、導入と解決策を見れば、すでに書くことは決まっているはずです
内容が矛盾していないか確認しながらまとめ上げましょう

例題と導入・解決策の確認

 東京都では昨年、転出者数が転入者数を上回る月が続きました。転出超過等によって人口が減少すると、税収の減少や地域コミュニティの衰退など様々な問題をもたらします。
 また一方で、特別区の抱える公共施設の多くが老朽化しており、人口減少がもたらす更なる社会変化に対応した、施設の企画・管理・利活用が求められています。
 このような状況を踏まえ、区民ニーズに即した魅力的な公共施設のあり方について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

(1,000字以上1,500字程度)

特別区Ⅰ類R3

まとめの文字数は全体の20~30%が目安です
この問題では300字程度を目指しましょう

導入と解決策の確認です

導入と解決策例

 新型コロナウィルス感染拡大の影響により、テレワークをはじめとした密の回避が急速に進んでいる。都心から郊外へ住居を移動する人々が多く発生したため、東京都の人口動態は、近年続いていた社会増が急激にペースを緩めることとなった。また、今後、東京都の人口は減少していくと推測されており、税収減や地域コミュニティの希薄化が一層進む恐れがある。そのような中、特別区では、昭和時代に建設された公共施設が多く、膨大な維持費が財政を圧迫している。さらに、高齢化が進み、バリアフリー化が求められているにもかかわらず、老朽化した施設では住民ニーズに応えられていない現状がある。特別区にとって、公共施設の見直しや運営の効率化は喫緊の課題である。区民ニーズを反映し、区民が利用しやすい公共施設を実現するほか、長期的な視野から施設を運営することが特別区に求められている。これらを実現するため、私は特別区職員として、次の3点に取り組むべきだと考える。
 1つ目は、公共施設を集約化することである。施設の老朽化による維持費が財政を圧迫していることに加え、区民の利用頻度が少なく、効率的な運営ができていない施設の増加が問題になっている。施設数の削減と集約化による維持費の削減に加え、バリアフリー対応や子育てにやさしい設備を整備することで、利用者の増加を見込むことができる。また、施設の複合化により、幅広い年代の人々が集まることから、地域コミュニティの活性化が期待できる。
 2つ目は、施設運営に民間活力を導入することである。(略)
 3つ目は、近隣自治体や他組織と連携することである。(略)

ここから

[特別区を取り巻く環境]
[特別区の課題]
[解決策の要旨]
[意思表示]

を抜き出し、言い換えの作業を行います

抜き出し作業

[特別区を取り巻く環境]
→人口減少、施設の老朽化

[特別区の課題]
→地域コミュニティの活性化、経費削減、区民ニーズに対応

[解決策の要旨]
→住民が利用したくなる施設、ハード面とソフト面、協働

[意思表示]
→特別区職員としてこれらに取り組んでいく

言い換え作業

抜き出したワードを言い換えてつなげていきます

まとめ例

 今後、特別区においても人口減少が進むと考えられている中、公共施設への区民ニーズは多様化しており、老朽化した施設ではニーズに応えることが難しくなっている。特別区としては、税収減に対応するための維持費削減だけでなく、施設の利用者数を増やし、施設への区民満足度を向上させることが課題となっている。そのためには、住民ニーズを的確に把握し、ハード面とソフト面から、公共施設のあり方を見直すことが必要である。特に、民間や他組織との協働を推進することにより、地域の中心施設として、まちの活性化に寄与することが期待できる。私は特別区職員として、効率的な施設運営と、幅広い協働に取り組む所存である。(290字)

このようになります

以上で論文が完成です

このブログでは
論文を書けない!
という方向けに作成しています

慣れてくれば、もっといい論文を書けるようになります
練習あるのみです
がんばりましょう!