論文の問題にグラフがある‥
資料なんて見る必要あるの?
資料はとても重要ですよ
その中に論文のヒントがありますからね
でも数学みたいで、よくわからないんだけど
大丈夫ですよ
多くは住民が見るために作られた資料です
焦らずゆっくり見れば難しくありません
今回は、東京都や横浜市で導入されている、資料を読み解くタイプの論文を取り上げます。
過去問の確認
東京都の過去問にしようと思ったのですが、著作権の問題で、資料を都ホームページに掲載できないようなので断念しました(悲)
というわけで、横浜市の過去問を見ながら、資料形式の論文の書き方をお伝えしていきます。
過去問はこちらの事務の問題です。
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/saiyo-jinji/saiyo/saiyo-info/kako/rei-kako-daisotu.html
資料形式の書き方
資料形式であっても、課題式と考え方は同じです。
問題文が長くなっただけ、くらいに考えてもらってかまいません。
むしろ、資料の中に論文のヒントがたくさんある、と思ってください。
論文の基本的な型に当てはめれば大丈夫です。
字数の確認
制限時間は1時間、時数は750字以内です。
東京都や特別区と比べると少ないですね。
8割以上書きたいので、最低600字、できれば700字前後になるようにしましょう。
字数配分の目安です。
①導入(序論)・・・200字
②解決策(本論)・・350字
③まとめ(結論)・・150字
では、具体的に論文の内容を考えていきましょう。
①導入(序論)
問題文の確認です。
次の2つの資料から、横浜において「住みたい」「住み続けたい」まちを実現していくために、 あなたが重要と考える横浜市の課題及びその背景を簡潔に述べなさい。
また、課題に対して横浜市が進めるべき具体的な取組及びその効果を述べなさい。
導入には自治体を取り巻く環境と課題を書きます。
200字程度で簡潔に述べましょう。
問題文に『2つの資料から』とありますので、必ず両方の資料からヒントをもらいます。
資料1を見てみます。
横浜市の転入出者数です。
この資料からわかる情報は
- 全体としては転入超過
- 東京や近隣自治体への転出が多い
これが横浜市を取り巻く環境、背景になります。
資料2に移ります。
住民満足度と要望調査の結果です。
横浜市の課題を探しましょう
その前に、グラフの見方は大丈夫ですか?
- 右へ行くほど満足度が高い
- 上へ行くほど要望が多い
例えば、「バス・地下鉄」は右にポツンとありますね。
これは、住民が横浜市の「バス・地下鉄」にある程度満足していること表します。
上下を見ると、比較的上のほうですね。
これは、住民の「バス・地下鉄」への要望が大きい、
言い換えると、「バス・地下鉄」をもっと充実させてほしい、と住民は思っています。
つまり、横浜市の住民は「バス・地下鉄」に対し、
ある程度満足はしているが、今以上に良くしてもらいたいと考えているわけです。
横浜市にとって優先順位の高い課題は何でしょう?
住民満足度が 高 or 低
住民の要望が 多 or 少
どの組み合わせでしょうか?
これは公務員として働く上で重要な視点です。
覚えておいてください。
グラフで左上に位置するものを選びます。これが横浜市の課題です。
- 災害対策
- 防犯対策
- 高齢者福祉
導入ではこれらを200字程度で書きましょう。
横浜市を取り巻く環境
・全体としては転入超過
・東京や近隣自治体への転出が多い
横浜市の課題(住民満足度が低く、要望が多いもの)
・災害対策
・防犯対策
・高齢者福祉
資料1によると、横浜市は全体では転入超過であるが、東京都内や近隣自治体への転出が多くなっている。次に、資料2によると、住民満足度が低く、かつ要望が多いものに『災害対策』『防犯対策』『高齢者福祉』がある。横浜において「住みたい」「住み続けたい」まちを実現していくためには、この3つが重要な課題である。これらの課題を解決し、横浜市をより魅力的なまちにするためには、次の〇点に取り組むべきだと私は考える。(199字)
こんな感じで文字が埋まります。
②解決策(本論)
導入で挙げた課題が
- 災害対策
- 防犯対策
- 高齢者福祉
の3つなので、解決策も3つが理想です。
しかし、字数の目安が350字なので3つ書くのは厳しいかもしれません。
その場合は
- まとめの字数を減らす
- 2つの解決策で3つの課題を解決する
のどちらかで対応することになると思います。
好きなほうで構いませんが、
必ず『災害対策』『防犯対策』『高齢者福祉』を解決させてください。
自分で挙げた課題を放っておいてはいけませんよ。
具体的な解決策は
- 地域のつながり
- 施設の充実
あたりが無難ではないでしょうか。
地域のつながりで『災害対策』『防犯対策』を、
施設の充実で『災害対策』『高齢者福祉』を解決しましょう。
③まとめ(結論)
今まで書いたことを、少ない字数で言い換えてみましょう。
字数オーバーしそうになったら、意思表示だけでもいいと思います。
まとめについては、こちらで解説しています。
必ず資料をヒントに!
今回は資料形式の論文を取り上げてみました。
資料にヒントがあると考えれば、決して難しいものではありません。
論文に慣れましょう!
がんばってください!!