近年、増加している経験者採用試験についての解説です

経験者採用では新卒向けの採用試験以上に論文が重視されています

今回は経験者採用試験で多く課せられている職務経験論文について解説していきます
経験者採用の課題式論文については、こちらのページをご覧ください

それでは特別区の過去問で練習してみましょう

職務経験論文には何を書く?

職務経験ですから、あなたが今までに経験した仕事のことを書かなくてないけません
しかし、よくあるミスとして次のようなものがあります

仕事の体験談しか書いていない

経験者採用の目的は、社会人経験を活用して自治体の課題を解決できる人を採用することです
論文では自分の経験を自治体でどのように活かすかを述べなければいけません

社会人経験を根拠に、自分が自治体で何ができるかを書く

過去問チェック

特別区の経験者採用の過去問を見てみましょう

 仕事の優先順位について、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分(1~3級)における立場として論じてください。

(1,200 字以上 1,500 字程度)

特別区経験者R2

この問題では職務経験を簡潔に述べる必要があります
ですが、職務経験をどのくらい述べればいいのかわかりません

過去問からヒントを得る

どう書いたら良いかわからない場合は、過去問にヒントがないか調べてみましょう

探してみると、2011年までの問題がヒントになりそうです
こちらが2011年の問題です

 あなたの職務経験に関して、(1)、(2)に分けて述べてください。
(1)あなたがこれまで民間企業等で携わった職務内容や職務経験について、簡潔に述べてください。
(300字以上400字程度)

(2)(1)で述べた職務において、どのような問題意識を持っていたかを述べ、職務を行う上で生じた課題とその解決にどのような工夫や取組を行ったか、特別区の職員としてその経験や知識はどのように活かせると考えているかを、具体的に述べてください。
(900字以上1100字程度)

特別区経験者H23

最近の問題より書きやすそうですね

字数を見てみましょう

(1)の職務経験で300~400字
(2)の課題論文で900~1100字

合計1,200〜1,500字です

今と一緒ですね!
この通り書けばいいわけです

問題文を読み解く

最近の問題文を以前の問題のように言い換えてみましょう。

 仕事の優先順位について、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分(1~3級)における立場として論じてください。

(1,200 字以上 1,500 字程度)

特別区経験者R2

 あなたがこれまで民間企業等で携わった職務内容や職務経験について、300字以上400字程度で簡潔に述べてから、
仕事の優先順位についてどのように考えていたかを述べ、職務を行う上で生じた課題とその解決にどのような工夫や取組を行ったか、特別区の職員としてその経験や知識はどのように活かせると考えているかを、採用区分(1~3級)における立場として900字以上1100字程度で具体的に述べてください。

このようになります

前半の職務経験は、1つ作成すれば使いまわせそうです
ほぼ丸暗記で対応しましょう
ただし、”簡潔に”書くことを忘れないでください
簡潔に書くことの大切さは、こちらで解説しています

後半は、論文基本の型で対応できそうですね
自治体職員として考える部分が、あなたの職務経験に変わっただけです
ただし、字数が減っているので、解決策を2つにするなどの調整をしてください
論文基本の型については、こちらのページで解説しています

「採用区分に応じて」とは?

最近の特別区の問題では、「採用区分に応じて」とあります
これは1~3級で求められる仕事のレベルが異なるからです
簡単に言うと次の通りです

区分立場仕事内容求められる能力
1級係員基本的な業務
窓口や事務作業
ミス無く作業をこなすこと
上司の指示に従うこと
2級係員と係長の間1級の仕事+後輩の指導係長の補佐役としての能力
業務改善する能力
3級係長係のリーダーリーダーシップ

職務経験を書く際に、それぞれの級に求められる能力を書くと整合性が取れます

例えば、3級を受験するのに、

「報連相をしっかりしました!」

と書いても得点になりません

逆に1級受験者は

「チーム内の業務の進捗状況を把握するため、報連相を徹底していた。
それにより、チームの仕事に優先順位を付け、効率的に仕事を進めることができた。」

と書いても得点になります

出題者が何を書いてほしいか見極めるようにしましょう

職務経験論文では、あなたの社会人経験をどのように活かせるかを問われています
あなたの経験が求められる能力を満たしていることを書くように心がけましょう