「公務員試験論文 書き方」検索っと
公務員試験論文は簡潔に書くことが大切です。
簡潔?
ネットで公務員試験論文の書き方を検索すると、「簡潔に」書くみたいなアドバイスがよく書いてありますよね。また、論文試験の過去問でも、「簡潔に」述べなさい、といった出題が多く見られます。
例えば、特別区経験者採用では、職務経験論文に必ず出てきます。
仕事の優先順位について、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分(1~3級職)における立場として論じてください。
特別区経験者採用(R2)
では、なぜ公務員試験論文は簡潔に書く必要があるのでしょうか?
論文だから難しく書いてなんぼ、と考えている方もいるかもしれません。
しかし、公務員になってからのことを考えると、「簡潔に」伝える練習をしておいたほうがいいでしょう。
私の経験を踏まえ、「簡潔に」伝えることが求められる理由を、以下の3点からお伝えしたいと思いま す。
①仕事を効率的に進めるため
公務員の仕事は基本的にチームで行います。メンバーは若手からベテランまで様々です。
また、公務員の仕事は多岐にわたります。特に事務職の方は、3年程度で、全くそれまでと関係の無い部署に異動します。例:福祉系→建設系→人事系
そのような世界では、専門的知見による難しい説明は好まれません。
※公務員の世界では、スペシャリストよりゼネラリストが好まれる傾向にあります。
スペシャリスト:特定の分野(法律、税、福祉等)に特化した人材
ゼネラリスト:分野にとらわれず、幅広い知識を持つ人材
専門知識を持たない人に、難しい言葉で説明をしても時間がかかるだけですよね。 ちゃんと理解してくれるかどうかもわかりません。
公務員と言えど、スピード感は大事です。
よって、仕事を効率的に進めるため、物事を「簡潔に」説明する能力が求められるわけです。
②住民に納得してもらうため
公務員は住民や事業者から質問を受けることがよくあります。また、住民説明会のように、こちらから話をすることも多々あります。
このような場合に、難しい専門用語で説明したらどうなるでしょう?
健康保険のことで相談しに来たのに、難しい言葉ばかりでよくわからない…
再開発の説明会に来たのに、法律の話ばかりで内容がわからなかった…
もし民間企業であればSNSで炎上するでしょう。
住民や事業者の方々で、役所の仕事やルールに精通している方は、決して多くありません。
そこで、住民たちに納得してもらうため、「簡潔に」伝える能力が必要になっています。住民が納得する、満足することが公務員のより良い仕事に繋がっていきます。仕事をする上で、このことを忘れてはいけません。
③いつ誰が見ても理解できるようにするため
役所の文書は上司の承認を得た後、数年間保存されます。文書の重要度によりますが、短いもので1年、長いもので30年とか永久とかです。 自分が退職した後も残るわけです。しかも作成者として。
保存されている文書は、基本的に誰でも見ることができます。見たい文書があれば、個人情報や機密情報を隠した状態で見せてくれます。情報公開制度というものです。
役所は文書主義ですから、文書ですべて解決できるようにしなければなりません。
例えば、ある住民が10年前のことを調べに来たとしましょう。
10年前の〇〇について聞きたいんだけど?
当時の文書を確認しました
ここに△△と書いてあるから□□ですね
このように回答できるわけですね。
もし、これが難しい言葉で書いてあったら、住民だけでなく職員も理解できない可能性があります。 説明責任を果たせなくなるのは、役所にとって致命的です。
なので、いつ誰が見ても理解できるように、文書を「簡潔に」書く必要があります。
まとめ
以上、
①公務員は専門家ではない
②住民も専門家ではない
③誰がいつ見るかわからない
の3点から、公務員に「簡潔に」伝えることが求められる理由を解説しました。
みなさんの伝える能力を論文試験で測っているのですね。
この能力は論文の勉強を繰り返すことで身に付きます。
論文の勉強の必要性はこちらで解説しています。
自分の意見を人に伝えることは難しいことです。皆さんも日頃から、他人に伝えるために論文を書いてみてください。